CPU温度
Pentium 4やAthlon 64などのCPUは、内部にサーマルダイオードが組み込まれている。ダイオードから得られる値を基に、BIOSやユーティリティーソフトでCPU内部の温度を計測できるようになっている。一般的には、この温度を「CPU温度」と呼ぶことが多い。サーマルダイオードから直接得られるのは電気的な値であり、温度に変換するときに誤差が生じてしまう。また、CPUコアは均一な発熱をするわけではないので、BIOSやソフトで表示される値が、「CPU内部の真の平均温度」を示すわけではない。しかし、かつてのように、マザーボード上に実装されたセンサーを使って、CPUパッケージの裏側の温度を計測するよりは、実際のダイ温度に近い値だとは言える。
CPU温度が正常な範囲内であるかどうかを判断するのは難しいが、一つの目安としてはCPUメーカーが規定している「TC-MAX」を参考にするとよい。TCはヒートスプレッダー中央の表面温度を指す。TC-MAXは、最大許容ダイ温度(CPUが動作可能な限界温度)よりも低く設定されている。BIOSやソフトで表示されるCPU温度が常にTC-MAXよりも低ければ、間接的にではあるが、CPU温度は十分に許容範囲内にあると判断できる。TC-MAXはCPUの種類だけでなくクロックやリビジョンによっても異なるが、Pentium 4は73℃前後、Athlon 64は70℃前後となっている。
CPU温度は、熱伝導グリスの塗り方とヒートシンクの押し付け圧力でも大幅に変わってくる。銅の熱伝導率が403W/(m・K)(0℃時、熱伝導率は温度で変化する)なのに対し、一般的な熱伝導グリスの熱伝導率は、数W(m・K)しかない。
仮にクリスの塗布面積を100平方mm、厚さ0.1mm、熱伝導率5W/(m・K)とすると、熟抵抗値は0.2℃/Wで、CPUの発熱が100Wならヒートスプレッダーとヒートシンク間の温度差は20℃にもなってしまう。これが塗布面積200平方mm、厚さ0.025mmならば、温度差を2.5℃に抑えられる。従って、熱伝導グリスは「気泡を入れず可能な限り薄く」というのが理想だ。
熱伝導剤を選ぶときは熱伝導率に目を奪われがちだが、最も重要なのは柔らかさである。いくら熱伝導率が高くても、熱伝導シートや硬すぎるクリスでは、CPUクーラーの押し付け圧力で伸ばせず、結果的に熱の伝わりにくい厚い層を作ってしまう。
「テレホンカードなどで薄く均一に塗る」という方法をベストとしている人もいるが、0.1mm以下の厚みで均一な塗布というのは職人的な技術が必要だ。もともとヒートスプレッダーやCPUクーラーは完全な平面ではなく、作業中のほこりなどが混入する心配もある。
安定して良好な熱伝導性を得られるのは「ヒートスプレッダー中心にマッチ棒の頭ほどのクリスを置き、クーラーを強く押してすり合わせるように圧力で伸ばす」という方法だ。ほとんどの熱伝導剤は暖めらると柔らかくなるため、クーラーを取り付けてから一度PCの電源を入れて切るなどして、CPUを加熱してから再度押し付けると、より薄い層が作れる。高価なグリスも販売されているが、ほとんどは明確な効果の差はない。
もちろんクーラーを取り外したら、気泡やほこりが混入するためグリスは塗り替えが必要だ。発熱の大きいCPUほどデリケートな取り扱いが必要になるので注意したい。
CPU温度が正常な範囲内であるかどうかを判断するのは難しいが、一つの目安としてはCPUメーカーが規定している「TC-MAX」を参考にするとよい。TCはヒートスプレッダー中央の表面温度を指す。TC-MAXは、最大許容ダイ温度(CPUが動作可能な限界温度)よりも低く設定されている。BIOSやソフトで表示されるCPU温度が常にTC-MAXよりも低ければ、間接的にではあるが、CPU温度は十分に許容範囲内にあると判断できる。TC-MAXはCPUの種類だけでなくクロックやリビジョンによっても異なるが、Pentium 4は73℃前後、Athlon 64は70℃前後となっている。
CPU温度は、熱伝導グリスの塗り方とヒートシンクの押し付け圧力でも大幅に変わってくる。銅の熱伝導率が403W/(m・K)(0℃時、熱伝導率は温度で変化する)なのに対し、一般的な熱伝導グリスの熱伝導率は、数W(m・K)しかない。
仮にクリスの塗布面積を100平方mm、厚さ0.1mm、熱伝導率5W/(m・K)とすると、熟抵抗値は0.2℃/Wで、CPUの発熱が100Wならヒートスプレッダーとヒートシンク間の温度差は20℃にもなってしまう。これが塗布面積200平方mm、厚さ0.025mmならば、温度差を2.5℃に抑えられる。従って、熱伝導グリスは「気泡を入れず可能な限り薄く」というのが理想だ。
熱伝導剤を選ぶときは熱伝導率に目を奪われがちだが、最も重要なのは柔らかさである。いくら熱伝導率が高くても、熱伝導シートや硬すぎるクリスでは、CPUクーラーの押し付け圧力で伸ばせず、結果的に熱の伝わりにくい厚い層を作ってしまう。
「テレホンカードなどで薄く均一に塗る」という方法をベストとしている人もいるが、0.1mm以下の厚みで均一な塗布というのは職人的な技術が必要だ。もともとヒートスプレッダーやCPUクーラーは完全な平面ではなく、作業中のほこりなどが混入する心配もある。
安定して良好な熱伝導性を得られるのは「ヒートスプレッダー中心にマッチ棒の頭ほどのクリスを置き、クーラーを強く押してすり合わせるように圧力で伸ばす」という方法だ。ほとんどの熱伝導剤は暖めらると柔らかくなるため、クーラーを取り付けてから一度PCの電源を入れて切るなどして、CPUを加熱してから再度押し付けると、より薄い層が作れる。高価なグリスも販売されているが、ほとんどは明確な効果の差はない。
もちろんクーラーを取り外したら、気泡やほこりが混入するためグリスは塗り替えが必要だ。発熱の大きいCPUほどデリケートな取り扱いが必要になるので注意したい。
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