DDR SDRAM

 現在主流となっているPC用メモリーの規格。PC用として初めてDDR SDRAMに対応したチップセットは、2000年10月にAMDが発表したAthlon用の「AMD-760」。対するIntelは当初、「ダイレクトラムバスDRAM(RDRAM)」をSDRAMの次のメモリー技術だとしていたが、市場の声に押される形でPentium4用のDDR SDRAM対応チップセット「Intel 845(B Stepping)」を2001年末に発表。RDRAMが高価だったこともあって、DDR SDRAMが一気に普及した。
 DDR SDRAMには、大きく分けて現在主流の「DDR」(区別のためにDDR1とする)と、「DDR2」がある。DRAMチップの速度の違いをDDR1では「DDR266」「DDR333」「DDR400」、DDR2では「DDR2-400」「DDR2-533」などと表記。さらにモジュールでは最大データ転送速度の数字を使って「PC 3200」(DDR400チップのモジュール)、「PC2 4300」(DDR2-533)として区別する。
 DDR1/DDR2 SDRAMと過去に使われていたPC133 SDRAMのモジュールは、いずれも基板の両面に信号線が出ている「DIMM」(Dual Inline Memory Module)で全長は同じ。しかし端子の数や信号が異なるため、スロットは共用できない。PC133は168ピン、DDR1は184ピン、DDR2は240ピンだ。
 PC133とDDR2-533を比べると、最大データ転送速度はおよそ4倍になっている。PC133では、メモリーバスとメモリーセルアレイを133MHzで動かし、1クロックで1つのデータ(モジュール全体では64ビット=8バイト)を転送する。DDR1では、1クロック当たり2つのデータを取り出し、外部周波数のクロック信号の立ち上がりと立ち下がりの2つのタイミングでデータを送信する。PC133と動作周波数が同じでも転送量が2倍になる。
 ただ、200MHz以上で動作するメモリーセルを安定して生産するのは難しく、DDR1の方式は速度向上に限界がある。そこでDDR2では、セルから1クロック当たり4つのデータを取り出す「4ビットプリフエッチ」を採用し、同時に外部周波数をDDR1の2倍に高めた。DDR1-400が内部・外部共に200MHzとなるのに対し、同じ転送速度のDDR2-400は100MHzで動作するメモリーセルを使えばよい。もしDDR2で200MHz動作のメモリーセルだと6.4GB/秒が実現できる。
 パーツショップの価格表には「CL=3」などという表記を見かける。CLは「CASlatency、キャスレイテンシー」の略で、メモリー読み出しの命令発行からデータが出力されるまでのクロックを示す。規格上はDDR333がCL=2.5、DDR400はCL=3、DDR2-533はCL=4となっている。DDR333は1クロックが約6ナノ秒(1÷166.66MHz)、DDR400は5ナノ秒、DDR2-533は約3.75ナノ秒なので、実際はすべて同じ時間だ。もちろん、メモリーの種類が同じなら、短い方が全体的な処理速度の向上が期待できる。
 メモリー関連のパラメータには、行アドレス指定から列アドレス指定までのクロックを決める「tRCD(Row to Column Delaytime)」、データをセルに書き戻す時間「tRP(Row Precharge time)」、アクティブ命令からデータ出力終了までの時間「tRAS(Row Address Strobe time)」などがある。これは「SPD」で自動設定されるが、手動で短いタイミングにしで性能向上を図ることもできる。
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