雑記

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放射能放出は何ヶ月も続く

福島第1原発2号機、燃料棒が露出 冷却機能失う
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E3E6E2E1E38DE3E6E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2


東日本巨大地震で被害を受けた東京電力の福島第1原子力発電所2号機は原子炉内の燃料を冷やす機能をすべて失い、14日午後5時、燃料棒が露出した。燃料棒の温度が上がり、原子炉を損なう炉心溶融の恐れがある。原子炉建屋の水素爆発を起こした同1号機や3号機に続き、深刻な事態に陥った。



恐ろしい冷却水喪失
http://www.stop-hamaoka.com/kaisetsu-1.html#4


 原子力の本質的な弱点として、人工放射能が出す崩壊熱があります。原子炉の燃料は、崩壊熱のため、停止後も大量に発熱し続けます。そのため、原子炉が地震で止まっても、崩壊熱を取り除くため、冷却し続けなければなりません。

 崩壊熱は、原発を運転していようが止めようが無関係に発生し、止めることも減らすこともできません。放射能の寿命は一瞬のものから数十億年のものまで、種類によってちがいます。

 アメリカ・日本型の原子炉では、燃料が密集しています。そのため発生する崩壊熱の逃げ場がありません。大口径の配管が破れると、冷却水は沸騰して失われてしまいます。冷却水がすべて失われると、核分裂反応は止まります。

 けれども崩壊熱による発熱のため、燃料集合体の温度は10〜60分後には数千度になり、溶け落ちます。これを、炉心溶融(メルトダウン)といいます。

 30〜120分後には原子炉の鋼鉄も溶かしてしまいます。溶け落ちた燃料が水に触れると水蒸気爆発を起こします。原子炉格納容器が破壊されればチェルノヴィリを上回る大事故になります。

 冷却水で冷やさなくてもメルトダウンを起こさなくなるまでには最低でも3ヶ月かかると言われています。(1年という説もあります。)



福島第一原発、日米の専門家が「放射能放出は何ヶ月も続く」
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2011/03/post-8b65.html


アメリカ国防総省の職員によると、原発から60マイル(96.6km)も離れた場所の上空を飛行していた軍のヘリコプターから、放射性物質であるセシウム137とヨウ素121を検出した。
(中略)
ダメージを受けた炉心は、海水などで冷やし続けなければならず、その間、放射線物質を含む蒸気を大気中へと排出し続けなければならない。これは、1年以上も続くかもしれない。この期間、避難している何万もの人たちは自宅に帰ることはできないし、内陸に向かって風が吹けば放射線物質は都市部へと運ばれる。



MIT研究者Dr. Josef Oehmenによる福島第一原発事故解説
http://blog.livedoor.jp/lunarmodule7/archives/2406950.html


・発電所は現時点で安全であり、安全であり続ける。
・日本はINESレベル4の事故を目にしている。ローカルの影響を及ぼす核事故であり、発電所を持つ会社にとっては悪いことだが、他の誰にも影響はない。
・圧力弁が解放されたときにいくらかの放射線物質が放出された。放射化した蒸気による全ての放射性同位体は無くなった(崩壊した)。ごく少量のセシウムとヨウ素が漏出した。もし蒸気放出時にあなたがプラントの煙突のてっぺんに座っていたのなら、あなたは、元の寿命を回復するために禁煙しないといけないかもしれない。セシウムとヨウ素同位体は海に運びだされ、二度と出会うことはないだろう。
・第一の格納容器には限定的なダメージがある。これは冷却水に幾らかの放射性セシウムとヨウ素が漏出したことを意味するが、ウランや扱いにくいモノ(酸化ウランは水に溶けない)が漏出したわけではない。第三の格納容器内の冷却水を扱う施設がある。放射性セシウムとヨウ素はそこから除去され、最終的に最終処理場に放射性廃棄物として貯蔵されることになるだろう。
・冷却水として使われた海水はある程度放射化する。制御棒が完全に挿入されているため、ウランの連鎖反応は起こっていない。これは「主な」核反応が起こっていないことを意味し、放射化には関与しない。ウランの崩壊はずいぶん前に終了しているため、中間生成物の放射性元素(セシウムとヨウ素)はこの時点でほとんど消失している。これは放射化をさらに減少させる。結論として海水のある程度の低レベル放射化が見られるが、これは処理施設で除去される。
・海水は通常の冷却水にそのうち置き換えられる。
・炉心は分解され、処理施設に転送されるだろう。これは通常の燃料入れ替えの時と同様だ。
・燃料棒とプラント全体は潜在的なダメージをチェックされる。これには4-5年かかる。
・全ての日本のプラントにおける安全システムはM9.0(もしくはより悪い)の地震と津波に耐えるだろう。
・私はもっとも重要な問題は長期に渡る電力不足になると考えている。おおよそ半数の日本の原子炉はおそらく査察されなければならないだろう。これにより国家の15%の電力生成能力が失われる。これは通常、ピーク負荷時にのみ利用されるガス発電施設を通常時にも稼動させることでカバーされるだろう。これは電力料金の上昇をもたらす上、日本のピーク時における潜在的な電力不足をもたらすだろう。



要点:
※核燃料容器であるジルコニウムチューブの融点は2200℃
※核燃料である酸化ウランの融点は約3000℃
※核燃料容器の中に核燃料が密閉されたものが燃料棒と呼ばれる
※全ての燃料集合体をまとめて炉心となる
※炉心は圧力容器の中に配置される

※燃料棒が露出すると、、、
・45分後に2200℃に達する。
 (10〜60分後には数千度(はっきりした数値不明)になるという表現もある。)
・炉心が溶け落ちた場合、炉心溶融(メルトダウン)と言う。
 これは炉心の定義から、核燃料も溶けた状態と言える。
・30〜120分後には原子炉(圧力容器)の鋼鉄も溶ける、という説もある。

※溶け落ちた燃料が水に触れた場合は水蒸気爆発を起こす(?)
※爆発で原子炉格納容器が破壊されれば大事故になる。
 (確かに大事故になるだろうが、水蒸気爆発のトリガーが良く分からない。)

とりあえず結論:
本来は燃料棒の中にある放射性セシウムとヨウ素が検出された事から
以下の経緯を辿っていると思われる。

冷却機能、冷却水喪失→核燃料容器が溶ける→水素が大量発生→水素爆発

水(海水)を注入

(爆発は起きないものの)大量の水蒸気が発生

圧力容器内(格納容器内?)の圧力が高まる

水蒸気を放出(放射能を含む)

水位下がる

水(海水)を注入

(繰り返し)


・格納容器の破壊さえ起こらなければ、最悪の事態は免れる。
・海水が冷却水として使われる事、放射能を含んだ水蒸気が放出される事について環境への影響は軽微という説もあるが、
それは汚染除去ができる設備が機能している事が前提であり、現時点で判断は難しいだろう。
(剥き出しのウランに直接海水をぶっかけて出てきた水蒸気かも知れないのに、何が起こっているか確定していない以上、現時点で影響軽微なんて、自信をもって言えるだろうか。)
・炉心が完全に冷却されるか冷却機能が完全に回復するまでは安心はできない。(それは数日〜1年かかる)
 
 
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