雑記

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運と気まぐれに支配される人たち

ある人は言った。「千年に一度とか、そんなことを想定してどうなる」
日本で最初の原発が誕生してたった40年でそれは来た。
千年に1度というのは1000年間隔で来るわけじゃない。明日にだって来るかも知れないのだ。
「想定外」なんかじゃない。過去の記録を無視しただけだ。


「大津波やM9 想定却下」 福島原発 設計者ら証言
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011032390071412.html
↑記事消されてます。


東日本大震災による大津波が発端となり、世界有数の原発事故を起こした東京電力福島第一原発。
その設計や安全性の検証を担った東芝の元社員二人が本紙の取材に応じ、
「設計時は、これほどの津波は想定していなかった」と証言した。東電の想定していた津波は最高で五・五メートル。
実際には倍以上高い十四メートルを上回る大津波が押し寄せており、二人は設計に想定の甘さがあったと口をそろえる。

 取材に応じたのは、一九七〇〜八〇年ごろに同原発の安全性を検証した元技術者の男性(63)と、
七一年から順次稼働した同原発1〜3号機と、5〜6号機の設計に加わった元設計者の男性(69)。

 タービンの安全性の検証に携わった元技術者は、原発の設計図の青焼きを見ながら
「今回のような大津波やマグニチュード(M)9は、想像もできなかった」と振り返った。

 元技術者は事故や地震が原因でタービンが壊れて飛んで炉を直撃する可能性を想定し、
安全性が保たれるかどうかを検証。M9の地震や航空機が墜落して原子炉を直撃する可能性まで想定するよう上司に進言した。

 だが上司は「千年に一度とか、そんなことを想定してどうなる」と一笑に付したという。

 元技術者は安全性を検証して報告したが、建設時にどう反映されたのか知らない。
「起こる可能性の低い事故は想定からどんどん外された。計算の前提を変えれば結果はどうとでもなる」と、想定の甘さを懸念する。



地震予知は「不可能」、国民は想定外の準備を=東大教授 | Reuters
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20609820110414?rpc=122


 またゲラー教授は論文で、東日本大震災で津波の被害を受けた東北地域では過去にも巨大津波が2度発生していたと指摘し、沿岸部の原子力発電所はそうした津波にも耐えうる構造に設計すべきだったと批判。1896年の明治三陸地震で起きた津波は最大38メートルに達したほか、869年の貞観地震の発生時でも東日本大震災と同等の津波が観測され、明治三陸津波では2万2000人が犠牲になったとしている。

 1カ月以上にわたって放射線物質の流出が続く東京電力福島第1原子力発電所は、最大6メートルの津波を想定して設計されており、3月11日に観測された14メートルだけでなく、過去に発生した大津波の高さを下回っている。

 同教授は電話取材で、「この地域ではこれまでに発生した大規模な津波の記録が多数残っている」とし、すべては東日本大震災で福島原発を襲った津波を防ぐには十分な大きさだったと強調した。「(高い津波が)以前にも発生していたことはよく知られており、記録もある。原発設計時には想定する津波の高さを過去と同レベルに設定すべきだった」との見解を示した。



特別リポート:地に落ちた安全神話─福島原発危機はなぜ起きたか | マネーニュース | Reuters
http://jp.reuters.com/article/companyNews/idJPJAPAN-20331820110330?rpc=123

 
  <埋もれた4年前のリポート、福島原発モデルに巨大津波を分析> 

 「津波の影響を検討するうえで、施設と地震の想定を超える現象を評価することには大きな意味がある」。こんな書き出しで始まる一通の報告書がある。東京電力の原発専門家チームが、同社の福島原発施設をモデルにして日本における津波発生と原発への影響を分析、2007年7月、米フロリダ州マイアミの国際会議で発表した英文のリポートだ。

 この調査の契機になったのは、2004年のスマトラ沖地震。インドネシアとタイを襲った地震津波の被害は、日本の原発関係者の間に大きな警鐘となって広がった。

 とりわけ、大きな懸念があったのは東電の福島第1原発だ。40年前に建設された同施設は太平洋に面した地震地帯に立地しており、その地域は過去400年に4回(1896年、1793年、1677年、1611年)、マグニチュード8あるいはそれ以上と思われる巨大地震にさらされている。

 こうした歴史的なデータも踏まえて、東電の専門家チームが今後50年以内に起こりうる事象を分析。その報告には次のような可能性を示すグラフが含まれている。

 ―福島原発は1―2メートルの津波に見舞われる可能性が高い。
 ―9メートル以上の高い波がおよそ1パーセントかそれ以下の確率で押し寄せる可能性がある。
 ―13メートル以上の大津波、つまり3月11日の東日本大震災で発生した津波と同じ規模の大災害は0.1パーセントかそれ以下の確率で起こりうる。

 そして、同グラフは高さ15メートルを超す大津波が発生する可能性も示唆。リポートでは「津波の高さが設計の想定を超える可能性が依然としてありうる(we still have the possibilities that the tsunami height exceeds the determined design)」と指摘している。 

 今回の大震災の発生を「想定外」としてきた東電の公式見解。同リポートの内容は、少なくとも2007年の時点で、同社の原発専門家チームが、福島原発に災害想定を超えた大津波が押し寄せる事態を長期的な可能性として認識していたことを示している。 

 この詳細な分析と予見は、実際の防災対策にどこまで反映されたのか。ロイターの質問に対し、東電の武藤栄副社長は「(福島第1原発は)過去の最大の津波に対して余裕をもっている設計にしていた」とは説明。それを超えるような津波がありうるという指摘については、「学会の中で定まった知見はまだない」との認識を示すにとどまった。 



福島第1原発:東電「貞観地震」の解析軽視
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110327k0000m040036000c.html


東京電力福島第1原発の深刻な事故原因となった大津波を伴う巨大地震について、09年の経済産業省の審議会で、約1100年前に起きた地震の解析から再来の可能性を指摘されていたことが分かった。東電は「十分な情報がない」と対策を先送りし、今回の事故も「想定外の津波」と釈明している。専門家の指摘を軽んじたことが前例のない事故の引き金になった可能性があり、早期対応を促さなかった国の姿勢も問われそうだ。


 
 
でも本当は、想定外か想定内かなんてどうでもいい。
(結局、賠償金は電気料金か税金かの違いで国民負担なのだから。)
それは工作やら取引やらの末に裁判で決まるだろう。
実際、0.1%の確率について一笑に付していい事もある。
ただ、原発の場合は、今回の結果を見れば、やはりそれは許されなかった。
企業の本音としては賠償なんてしたくないしだろうし、想定外と主張するのはもっともだろうし、それは自由だ。
だが、今後も地震や津波、火山噴火、洪水があるごとに国も企業も
「これもあれも想定外」と言って安全の責任を取ろうとしないのなら、
私達は毎日が「タイタニックで朝食を」状態だ。
チームマイナス100%も夢じゃない。
いつか取り返しのつかない過酷事故が起きてみんな死ぬ。
それでは、生き残っている側として、亡くなった方々に申し訳ないだろう。
国と電力会社は原発の安全に対して運まかせではなく、責任を持って望んでほしい。
 
 
 
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