TCP/IP

 ネットワークで使われているプロトコル(通信手順)の一種。米国防総省が1970年代に開発した。各種サーバー機で使われているUNIX OSが標準サポートしたことで一気に普及、インターネットでの標準プロトコルになった。個人ユーザーの間では、1995年のWindows95の登場からTCP/IPの利用が一般的になった。
 TCP/IPは単一のプロトコルではなく、IPとTCP、UDP(User Datagram Protocol)、ARP(Address Resolution Protocol、ICMP(Internet Control Message Protocol)などいくつかのプロトコルの集合体となっている。IPは、通信の経路を管理、制御する。TCPはIPの上位で、先方との通信回線を確保し、データが確実に届くようにデータサイズの調整や再送などを行う。
 UDPはTCPと同じ層にあり、主に1対多の通信で使われる。TCPのような通信内容の保証はなく、いわば「送りっばなし」のプロトコルで、その分処理が軽い。ARPはIPアドレスから後述の「MACアドレス」を求める。ICMPは通信経路のエラー通知などを担当する。これら2つは、いずれもデータ転送には直接はかかわらない、補助的なプロトコルだ。
 TCP/IPによる通信では、コンピューターに「IPアドレス」を付加して個体を識別する。現在の「IPv4(Internet Protocol version 4)」では、8ビットずつに区切った32ビットの値を使う。同一ネットワーク内に同じIPアドレスがあると通信ができないので、インターネット上で重複しないように、「IANA(Internet Assigned Numbers Authority)」とその下部組織がIPアドレスを管理し、割り当てている。
 ただし、約42億個あるIPアドレスのうち「10.0.0.0〜10.255.255.255」「172.16.0.0〜172.31.255.255」「192.168.0.0〜192.168.255.255」は、「プライベートアドレス」として、LAN内では自由に使ってもよいと定められている。
 IPでは、「サブネットマスク」でIPアドレスをネットワーク部とホスト部に分割して、効率良く運用できるようにしている。ネットワークアドレスとサブネットマスクをまとめて「192.168.1.0/24」「192.168.10.192/27」などと表記することもある。
 現在、家庭内では「DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)」のサーバー機能を実装したブロードパンドルーターなどが、LAN内に接続した機器に自動でIPアドレスを割り振るのが一般的だ。サブネットマスクやネットワークアドレスはあまり意識せずに済むが、PCにサーバーソフトをインストールしたり、ネットワーク関連のトラブルを診断するときにはIPアドレスを意識せざるを得なくなる。Windows98/Meでは「winipcfg」というアプリケーション、Windows2000/XPではコマンドプロンプトの「ipconfig」コマンドを使うと、PCに割り振られたIPアドレスなどの設定を確認できる。
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