3号機のプールはどこへ消えた?
福島第一原発3号機の爆発についての解説 4月26日
バズビー教授 チェルノブイリと 同じくらい深刻 それ以上の人口が被爆
水産物の放射能汚染から身を守るために、消費者が知っておくべきこと
http://katukawa.com/?page_id=4304
バズビー教授 チェルノブイリと 同じくらい深刻 それ以上の人口が被爆
「欧州放射能危機委員会の科学担当幹事クリストファー・バズビー教授に 日本での今世紀最悪の核の危機について伺います。」
「メディアでは大きく報道されてはいないのですが 福島での爆発のひとつは当初伝えられたようなガス(水素)爆発ではなく 実は「核反応だった」という報告がありますが もしそれが本当なら原発を管理しているTEPCOが そんな最悪の展開を隠すようなことはしませんよね?」
「彼等がそれを隠すことはあり得ると思います 原子力産業界は二枚舌を使い 事実を隠蔽する行為をくり返してきました どこを見ても常に情報をどうにか変えて 彼等が優位にいられるようにしてきました 私もあれは多分「核爆発」だったとみていますが しかし それは原子炉の爆発ではなく 使用済み燃料が入っていた燃料プールでだった ということが今はかなり確かな見方だと つまりあのプールで何らかの「核爆発」があったと あのプルトニウムのMOX燃料の入ったプールでの爆発ですが あのビデオを観た人なら誰でも、あの巨大な爆発を見て 「水素爆発だ」とは思わなかったでしょう」
「もしそれが本当で水素爆発ではなく核爆発だったらその結果どうなりますか?」
「そうですね実をいうとさして違いはありません 問題は燃料棒です 膨大な数の放射性の燃料棒が空中に吹き飛ばされ 気化したことで 非常に多くの放射能が周辺に拡散しました それに炉心溶融(メルトダウン)があったことと 今も核分裂が起きているらしいこと その結果として容器そのものにひびが入っているかもしれない とにかく原子炉の中で「核分裂」が起きているというわけで それで10の14乗、1のあとにゼロが14個...ベクレルの放射能が 毎日放出されているわけです これは本当に深刻な事態です チェルノブイリの原発も核爆発だったという証拠があります 我々は2週間ほど前にベルリンでその詳細を聞きましたが 爆発のときの同位元素の測定値から チェルノブイリも水素爆発ではなく核爆発だったということがわかっています」
「多くの解説者は チェルノブイリと福島は比較にならないと言っていますが あなたは福島はもっとひどいことになる可能性があるとおっしゃいましたよね 今でもその見解をお持ちでしょうか つまり 今の状況はもっと悪くなる可能性があると?」
「えぇ、私はもっとひどくなる可能性はあると思います その理由は福島はチェルノブイリに比べると 事態のコントロールができていないからです チェルノブイリ事故でソビエト政府のとった行動のほうが迅速だったと しかし日本政府は人々を避難させるにものんびりしすぎていて いまだに禁止すべき区域から人々を十分に脱出させていない 私に言わせれば、退避は最低でも60から70キロにはしないと 70キロ内の地上の数値はチェルノブイリの避難区域よりはるかに高いと これらの積算値はチェルノブイリの避難区域の積算値より高いのです それに東京や東京の南部での放射能レベルも上昇していると ですからその違いはというと 日本ではチェルノブイリよりはるかに多くの人口が危険にさらされているということです チェルノブイリでは幸い汚染は北に向かい 南のキエフには(それほど)行かなかった だから被爆した人口もそれほど多くはない しかしここで言っておかなければならないのは 私たちが計算したチェルノブイリ事故による癌の死亡者数は 100万人という単位です 140万人というのが 先のベルリンの会議でECRRのリスクモデルを使った私たちの計算結果です 福島のケースでもほぼ同じくらいの数値が予測されます 避難していない人たちについて… 」
「しかし何故なんでしょう 私が読んだあるニュース・サイトでは 『長期的な健康へのダメージはよくわかっていないが しかし健康への危険性は低いと思われる』とあったのです 実際これまで 福島の放射能汚染による死者は報告されていないし こういう見解を出すのはまだ早すぎるからでしょうか それとも あなたが過剰反応し 大げさに言っているのではないかと言う人もいるかもしれませんね?」
「こうした見解を述べるのには早すぎるということではありません チェルノブイリの例からも 我々にはすでにわかっているのです 疫学的な測定結果が出ている 数多くの研究結果が チェルノブイリ後の癌の増加を示していますし ありとあらゆる種類の疾患の増加も示しています 『歴史を無視する者はそれを繰り返す』と言うほかありません そんな見方をする連中は概して「核」産業と結びついていますし 健康へのダメージがあり・なしの判断をどうするかで多額の金が動いているのです」
「ちょっとお聞きしたいのですが 日本の関係機関は 9ヶ月で覆いをかけ 原子炉を冷却し、放射能漏れを止めれる など すべてを終えられる自信があると言っていますが この問題を9ヶ月でなんて解決できるでしょうか それでこの大惨事が終焉するでしょうか? (中略) あなたは多分日本政府がいうようには確信が持てないのではと思うのですが 彼らが言うように原発プラントに覆いをかけ 原子炉を冷却し放射能漏れを本当に9ヶ月で止めることができると思われますか?」
「そうは思えません、そうはならないと思います 原子炉に覆いをかけるといいますが まだそれは核分裂している となると 核分裂した放射性物質が地面に滲みこみ また海へと出て行きます 核分裂している原子炉をコンクリートで封じ込めることはできません それは不可能です」
「最後に簡潔に 今『海に流される』とおっしゃいましたが チェルノブイリは内陸ですが 福島原発は太平洋の岸辺に立っている そのことは 日本から離れた”広範囲の地域への放射能汚染”という意味においてどれほど重大なことでしょうか?」
「そうですね、すでに米国で放射性物質が検出されていますし 高濃度のウラニウムとプルトニウムがハワイやマリアナ諸島のエア・フィルターから検出されています また海に出た汚染は海岸沿いを伝っていきます 大変深刻な状況なのです 私のこうした見方は「核」産業や日本の関係機関から良くは思われていませんがね しかし 人々が病気になり死ぬことになるのですから 私からすれば非常に重大な問題なのです」
水産物の放射能汚染から身を守るために、消費者が知っておくべきこと
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