雑記

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人間が生き方を変えるしかない

2004年8月9日、福井県美浜町の関西電力美浜原発3号機で配管が破裂し、140度という高温の蒸気が噴出、死者5名を含む11名の作業員が死傷した。
この配管は本来、約1センチの厚さなのだが、10気圧という高圧の水流によって管の厚さが薄くなり、破損したと見られる。
破裂した部分は最小で1.4ミリしかなかった。
この配管は”担当者が忘れていたために”、76年12月の運転開始以来一度も点検さえ行われていなかった。

さて、
大飯原発3号機の運転開始は1991年12月
大飯原発4号機の運転開始は1993年2月

原発は老朽化する。そして基準を決め、点検するのは人間である。
20年近くも前に運転を開始した老朽原発を動かすというのか。地震や津波に耐えられるというのか。


日本経済発展に必要=大飯原発再稼働で野田首相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120604-00000118-jij-pol


 野田佳彦首相は4日午後の記者会見で、近く最終決断する関西電力大飯原発3、4号機の再稼働について「安全性はしっかり担保する。
日本経済社会の全体の発展のために再稼働は必要だ」
と述べた。
その上で「立地自治体の理解を得ることができるならば、関係閣僚会合で判断する。その判断の最終責任者は私だ」と重ねて強調した。



電気というインフラの維持は必要だが、原発を稼動させた途端に経済発展するとも思えない。
そもそも、原発がバンバン稼動していた3.11前の日本経済はどうだったか?とっくに疲弊していたではないか。
そして、ひとたび事故が起きれば、経済発展どころの話ではない。
20年も前の原発の安全をどう担保したというのか。


野田首相が大飯原発再稼働判断、「国民生活守るため必要」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120608-00000096-reut-bus_all

橋下市長、人命リスクに「おじけづいた」
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20120608-964297.html


 大阪市の橋下徹市長は8日の記者会見で、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働反対から容認に転じた理由について、
重病患者が生命の危機にさらされるなどの計画停電による被害想定を目の当たりにしたのが要因だったと明らかにした。
「停電のリスクを一覧表で見たら、正直おじけづいてしまった」と述べた。

 市長の指示で作成されたリストは、計画停電を実行した場合、
「生命・身体・健康への配慮が特に必要な施設で重大な影響を及ぼす恐れがある」と明記。5月中旬ごろに市長が内容を確認していた。

 市長は、関西の府県民に節電の負担を求めるのと、停電時のトラブルまで耐えてもらうのは別の問題だと強調。
「ぎりぎりの判断で、ずっと悩んできた。停電のリスクはとれなかった」と心境を明かした。(共同)



経済を引き合いに出したのが、まずいと気づいたのか言い方を変えてきた。
端的に言えば、生活、雇用、人命を盾にした恫喝だ。
ましてや、雇用創出の為に原発を動かすなど、目的と手段の逆転である。許されるわけがない。
ろくな雇用政策もしないで、地域を原発マネー漬けにしておいて、
いまさら雇用の為に原発が必要などとは片腹痛い。


<大飯再稼働>官邸前、4000人が首相会見に抗議
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120609-00000008-mai-soci


 東京・永田町の首相官邸前では8日、大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に関する野田佳彦首相の会見に合わせ、
反原発を訴える市民ら約4000人が抗議活動を行った。
3歳の長男と駆けつけた関西出身で横浜市旭区の主婦、吉川由貴さん(43)は「大飯原発は関西の水がめと言われる琵琶湖に近い。
これだけの人が反対しているのに、なぜ声が届かないのか」
と悔しがった。

 脱原発を求めている日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中熙巳(てるみ)事務局長は
大飯再稼働は今後も原発頼みを続ける第一歩になってしまう。
事故が起きて責任を取らされるのは税金や電気料金を負担する国民だ」と話した。

 全国68の市区町村長らでつくる「脱原発をめざす首長会議」世話人の三上元・静岡県湖西市長は
「原子力安全委員会など信頼を失った安全審査組織の総入れ替えが先だ。
福島事故前と同じ組織が審査するのはおかしい」と指摘した。



確かに、電力の”安定供給”において、原子力の代替案を我々は出せていない。
また、化石燃料への依存を高めることは、エネルギー政策としてはリスクが大きい。
だが、なし崩し的な再稼動は、エネルギー問題を先送りにしているだけである。
そんなものは政治判断でもなんでもない。無責任そのものだ。
それどころか、老朽化した原発を動かすのなら、野田が盾にしているより多くの人命をリスクに晒す事になるのだ。

日本はこれからどのようにエネルギーを使うべきなのか。
日本人はどのようなライフスタイルを選択すべきなのか。
その答えに対して原発は本当にいるのか、いらないのか。


地球は既に答えを出している。↓

国連報告「地球は既に限界点」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2012/06/post-2575.php
 
 
 
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