本体背面に位置する端子類をまとめた部分。パラレル端子やキーボードやマウスを接続するPS/2端子以外は、マザーボードごとに異なるのが普通。このため各マザーボードには、PCケース側に取り付けるパネルが付属している。
AMDを中心に開発が進められた汎用の超高速チップ間インターフェース。コストや実装面積に合わせて柔軟に転送速度を選択できる点が特徴。必要に応じて、2/4/8/16/32ピットのデータ幅を選択できる。パラレル伝送に見えるが、実質的にはシリアル伝送である。1クロック当たり2回のデータ転送を行う(DDR、Double Data Rate)で、最新規格「HyperTransport 2.0」の最高動作周波数1.4GHz(2.8GHz相当)時には、32ビット幅・片方向で11.2GB/秒の転送速度が得られる。Socket754のAthlon 64/SempronのHyperTransportリンクは、片方向16ビット幅、800MHz(1.6GHz相当)、Socket 939用CPUは、片方向16ビット幅で1GHz(2GHz相当)となっている。
Intelが開発した、チップ間接続の専用インターフェース。主に同社製の800番台のチップセットで採用されていた。Hub-Link登場以前の「Intel 440BX」などでは、チップセット間をPCIで接続していたが、Hub-Linkは、高速化と消費電力を低減するために開発された。PC向けのチップセットでは、最大データ転送速度が266MB/秒だが、ラムバスDRAM(RDRAM)対応の「Intel 860」では、533MB/秒の規格も使われていた。
2004年に市場へ投入された900番台のチップセットではより高速なDMIに置き換えられている。
AC'97の後継としてIntelが策定したサウンドの規格。開発コード名は「Azalia(アザリア)」。2004年に登場したICH6シリーズで初めて実装された。7.1チャンネル、192kHz/32ビットの音声出力に対応するほか、ヘッドホン出力、ライン入力、マイク入力などを音声端子に自由に割り振る機能や、独立した複数の音声ストリームを出力する機能などがある。PCケースのフロントパネルにある音声端子用のピン配列がAC'97と異なるため注意が必要。ただ、マザーボードによっては、BIOS設定で従来の接続端子が使えるように切り替えられる。
次世代DVDの規格名。既存のDVDより記録密度が高く、大容量データを記録できる。高精細なHD映像を収録するために、片面1層のHD DVD-ROMでも15GBの容量を確保した。
2004年6月に、読み出し専用型のHD DVD-ROMが正式規格のバージョン1.0としてDVDフォーラムで承認された。このほかにも、追記型のHD DVD-R/HD DVD-R DL、書き換え型のHD DVD-RAM(2005年11月にHD DVD-Rewritableから名称変更)、HD DVD-RW(HD DVD Re-recordableから名称変更)などがある。
HD DVD-ROMの容量は1層(シングルレイヤー)片面で15GB。2層(デュアルレイヤー)片面で30GB。両面ではそれぞれ30GB、60GBとなる。書き換え型HD DVDの容量は1層片面で20GBだ。
HD DVDの特徴は、物理的な形状を既存のDVDから大きく変えていない点にある。このため、メディアの製造設備をDVDと共用できるほか、HD DVDとDVDの両方に対応した再生機器を比較的容易に作れる。カートリッジが不可欠ではなく、ノートPCなどで使う薄型のドライブも作りやすい。東芝は既にHD DVD再生用ドライブを搭載したノートPCを開発した。高解像度映像の記録用メディアとしては、ソニーや松下電器産業などが中心になって策定した「Blu-rayDisc」もあるが、直径や厚みこそDVDと同じであるものの、記録面の位置や必要なレンズがDVDとは異なる。
HD DVDは現行DVDと同じく、直径12cmで0.6mm厚のディスクを2枚貼り合わせた構造になっている。大きな違いはレーザーの波長。DVDが650nmの赤色レーザーを使うのに対し、HD DVDはより波長の短い405nmの青色レーザーを使う。レーザーの集光径の目安となる対物レンズNAも、DVDより若干大きいため、レーザーをより絞り込める。
HD DVDでは、光学系の変更による寄与以上に記録密度を高めるため、新たに「PRML(Partial Response and Maxi-mum Likelihood)」という信号処理方式を採用した。PRMLは、再生信号の歪みを修正する技術と、誤りを含む信号から最も確からしいデータを選択する技術を組み合わせた方式。東芝によれば、PRMLの採用によって、レーザーの絞り込み分以外に、DVDに比べ線密度が20%向上したという。HD DVDでは同時にトラック間の密度も高めている。
2005年9月にはIntelとMicrosoftがHD DVDプロモーショングループに加入。両社はHD DVDを支持する理由として、管理されたコピー機能、互換性、製造コストの低さ、ノートPCに適していることなどを挙げている。
電波が建物の反射などにより影響を受け、画像が二重・三重に映ったり、色が薄くなったりしてしまうことを、マルチパス(ゴースト)歪みと呼ぶ。GRとは、これを軽減する機能のことを指す。
GRTでは、ゴースト検出用の信号として、放送波に重畳されたパイロット信号を用いる。これを用いて本信号から反射波信号を除去するが、この信号が重畳されていない放送局やCATV局の電波を受信する場合には効果がない。
ビデオメモリーとして使われるDRAMチップの一種。最新規格はGDDR3。メインメモリー用のDDR SDRAMと比べて、より高速な動作を前提としており、信号方式や駆動電圧が異なる。例えば、Samsung SemiconductorのGDDR3チップは2V、最高800MHzで駆動する。ハイエンドビデオチップのメモリーバスは256ビット幅なので、最大データ転送速度は256ビット(32バイト)×800MHz×2回転送(DDR)で、51.2GB/秒にも達する。既に、ハイエンドボードではGDDR3チップなどが使われている。
動画キャプチャーの際に使用するフレームサイズの呼び名で、NTSC方式の場合、Full D1は720×480ピクセル、Half D1は352×480ピクセルを指す。D1の語源は放送用デジタルVTR方式D1から来ている。横方向のピクセル数720はD1-VTRが採用するビデオサンプリング規格「ITU-R BT.601」によるもので、NTSC方式のビデオ信号をサンプリング周波数13.5MHzでサンブリンクした際の有効解像度である。縦方向のピクセル数はNTSCの有効走査線数486に近く、かつPCと相性の良い480という値を採用したものだ。
Intelが定めたマザーボードの設計ガイドライン。CPUを正しく作動させるために、TDP(Thermal Design Power、CPUの実使用上の最大消費電力)や、供給すべき電流値、CPUやチップセット周辺の温度などが示されている。同じCPUソケットやチップセットを使っていても、古いFMBに準拠した設計のマザーボードでは、新しいCPUが動作しないことがある。2005年の高性能PC(Intel用語でPerformance PC)向けのガイドラインは「2005 Universal Performance FMB」で、TDPは130Wと今までで一番高い。
スクウェア・エニックス製のベンチマークソフトの通称。正式名称は「FINAL FANTASY XI for Windows オフィシャルベンチマークソフト3」。同社のオンラインゲーム「FINAL FANTASY XI for Windows」を購入する前に、手持ちのPCで同ゲームが正常に動作するかどうかを調べるために提供されている。低解像度のスコアが999までは事実上の動作不可、2000前後だと遊べるレベル、3000から4000程度であれば高解像度でも快適、などの指標がある。バージョン2までは、Pentium4よりもAthlon64の方が高いスコアが出る傾向があったが、3では逆の傾向がある。