雑記

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愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

判決文の一部が心に引っかかったのでメモ。

2016/03/09

大津地裁
高浜原発の再稼働差し止めの仮処分決定を出す。


(主文の一部分のみ抜粋)


地球温暖化に伴い、地球全体の気象に経験したことのない変動が多発するようになってきた現状を踏まえ、また、有史以来の人類の記憶や記録にある事項は、人類が生存し得る温暖で平穏なわずかな時間の限られた経験にすぎないことを考えるとき、災害が起こる度に「想定を超える」災害であったとくりかえされてきた過ちに真摯に向き合うならば、十二分の余裕をもった基準とすることを念頭に置き、常に、他に考慮しなければならない要素ないし危険性を見落としている可能性があるとの立場に立ち、対策の見落としにより過酷事故が生じたとしても、致命的な状態に陥らないようにすることができるとの思想に立って、新規制基準を策定すべきものと考える。



「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言う。

「平穏なわずかな時間の限られた経験」に頼りきって、
想定外と言い逃れする「痛い目を見なければ分からない」愚者では
原発の管理など到底務まらないのだ。

かと言って、世の中を見渡せば、賢者などいない事も明白で
バス事故でもそうだが、結局我々は失敗を都度経験して初めて
「あれをしてはいけなかった」「こうするべきだった」としか
学んでいけない愚者の集まりなんだと認識すべきだ。
人智の及ぶ範囲などその程度だよ、と。
そして、自然はいつもそれを超える現実を突きつけてくる。

だから、もし原発を動かすというなら、
安全策を幾重にも労せば自然に勝てるなどという傲慢は捨てて
「過酷事故が生じたとしても、致命的な状態に陥らないように」
対策や技術開発をしてほしいものである。

我々は賢者になどなれないが、
それがせめて歴史に学ぶという事ではないだろうか。
 
 
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